【新人OT】退職代行は危険?引き止めをかわして安全に辞める方法

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今年の4月に入職し、ゴールデンウィークの連休がない現実に打ちのめされつつも「5月病」を乗り越えた新人コメディカルのみなさま。

実は8月にもう一つの巨大な壁が立ちふさがることをご存じでしょうか。

かつて私も経験しましたが、大手の一般企業や公務員の知人が「お盆休み」という名の夏休みを満喫するなか、医療・介護業界に関わる人々の多くはいつもと変わらず出勤です。

5月病を乗り越えた猛者たちの心も、ここでポッキリ折れてしまうことが珍しくありません。

最近はSNSの普及もあり、友人が連休を楽しんでいる様子を手軽に知れてしまうため、自分の環境とのギャップに絶望してしまう人も多いようです。

終わらないカルテと、虚しく過ぎていく夏……。ふと「もう明日から行きたくない」という考えがよぎっても全くおかしくありません。

なかには、「退職代行を使ってでも今すぐ逃げたい」と思い詰めている方もいるでしょう。確かに退職代行は便利なサービスです。

しかし、元OTの立場からハッキリお伝えします。医療・福祉業界において、安易な退職代行の利用はリスクが大きすぎます。

この記事では、なぜ退職代行をおすすめしないのかという「業界のリアル」と、ブラック施設からの定番の引き止めをかわして「安全に辞める方法」を解説します。

この記事を読むと分かること

  • 医療・介護業界で「退職代行」を安易に使うのが危険な理由
  • うつ手前など、心身が限界な時に確実な休みをもぎ取る「診断書」のもらい方
  • 「他で通用しないぞ」など、上司からの定番の脅し・引き止め文句の裏側と大人の対処法
  • ブラック施設で無理して働き続けることが、今後のキャリアに与える見えない悪影響
  • 角を立てず、確実に次の職場も確保できる「一番安全な退職手順」

結論:作業療法士が退職代行を安易に使うべきではない深刻な理由

退職代行をおすすめしない最大の理由は、「業界が異常なほど狭いから」です。

他業種と違い、医療・福祉業界の横の繋がりは私たちが思う以上に強固です。研修会や地域の連携会議などを通じて、たとえ県内の端と端の病院であっても、意外なところに知り合いがいるものです。

実際、私が転職エージェントを利用して移った先の「リハ主任」と、元の職場の「リハ主任」が知り合いだったケースがありました。

幸い話し合いの末の円満退社だったので問題ありませんでしたが、もし退職代行を使って強引に辞めていたらと考えるとゾッとします。

他にも、妻の治療でお世話になっていた担当医が、自分の勤める施設の施設長だったこともあります。これほどまでに、医療・介護業界のコミュニティは狭いのです。

さらに、PT・OT・STといったリハビリ職だけでなく、看護師や介護士など女性陣のコミュニティの広さも絶対に甘く見てはいけません。

もし、普通とは異なる手順で退職したことが知られれば、「あそこの新人、代行を使って突然飛んだらしいよ」という噂は一瞬で広まります。

地域によっては「事務長会」と呼ばれるネットワークが存在し、酒の席で「そういえば〜」と転職者の話が話題にのぼることも珍しくないと、当時の事務長から直接聞いたこともあります。

つまり、強引な方法で退職すると、回り回って次の転職活動で自分の首を絞めることになりかねないのです。

OTの実習時、女性のバイザーから「とにかく横の関係を作れ」と口酸っぱく言われていました。何をするにも、情報が最大の武器になるのがこの業界なのです。

【重要】心身が限界なら話は別。「命を守る最終手段」として迷わず使う

ここまでリスクをお伝えしましたが、どうしても例外となるケースがあります。

もしあなたが今、「明日出勤したら命を絶ってしまいそう」なくらい精神が追い詰められていたり、すでにうつ病の一歩手前まで疲弊しているのなら、話は全く別です。

あなたの心と体の健康よりも重いキャリアなど、この世に存在しません。その場合は、業界の狭さや今後の噂など一切気にしなくて大丈夫です。

自分の身を守るための「最終手段」として、迷わず退職代行を使って逃げてください。まずは自分自身が生き延びて、心身を休ませることが何よりも最優先です。

そこまで追い詰められたということは、あなたではなく「職場」に重大な問題がある証拠です。そうしたブラック施設の悪評は業界内でも知られていることが多く、退職代行を利用しても案外「ああ〜、あそこの施設ね」と納得されるケースもあり得ます。

【元OTの体験談】心が折れそうな時、私が実際にとった生存戦略

私自身もうつ病の手前まで追い詰められた経験がありますし、後輩が心を病んでいく姿も見てきました。

職場や上司がブラックだと、心身の不調を訴えても「根性がない」「この仕事に向いてない」「その程度で休めると思うな」といった心無い言葉を平気で投げかけてきます。事実、私もそのような対応をされました。

しかし、勘違いしてほしくないのは、たとえ精神を病んでしまったとしても、それは「あなたに根性がないから」でも「PTやOT、STとしての適性がないから」でもないということです。

真面目で頑張り屋なあなただからこそ、心身のSOSに気が付きながらも、自分を騙して仕事に取り組んだ結果なのです。

今は自分を責めず、まずは「確実な休息」を取り、次につなげる方法を考えましょう。

無理をせず辞める!新人OTのための具体的な退職アクションプラン

心身ともに疲弊している時に無理をして仕事に行っても効率は上がらず、思わぬ事故につながる危険があります。

自分では気が付きにくいケースもありますが、そもそも「仕事に行きたくない」という気持ちが長期にわたって続く場合は、何か重大な問題を抱えている可能性があります。

無理をせずに家族や友人に助けを求めることがおすすめです。

①家族に助けを求める。親に職場へ電話をかけてもらう

自分で電話をするのが辛い場合は、家族(親が効果的)に職場へ連絡してもらいましょう。

「様子がおかしいので2~3日休ませます。病院を受診して結果を伝えます」と伝えてもらうのが一番確実です。

②病院を受診。診断書をもらい、休職や退職の交渉を進める

明らかにメンタルを病んでいても、専門のメンタルクリニックは「初診1ヶ月待ち」がザラです。

そこでおすすめなのが、総合病院を受診することです。 診察の際は、休職手続きなどで不都合が生じないよう、現在の症状と過酷な労働環境をしっかりと伝え、「適応障害やうつ病などの疑いがないか専門医に診てほしい」と相談しましょう。

総合病院内の心療内科、あるいは近隣のクリニックへの「紹介状」を書いてもらえる可能性が高く、受診がスムーズになります。

③転職エージェントを活用し、次の職場が決まれば退職交渉も円滑に

適応障害やうつ病の診断書が出れば、職場の意向を気にせず休職や退職の交渉が進められます。

しっかり休んで冷静に考えられるようになってから、転職エージェントを利用した次のステップを考えれば良いのです。

ちなみに私の場合は、自分自身の適応障害の診断書、後輩のうつ病の診断書、さらに過去にうつ病で退職した先輩の事例をまとめて事務長に提出し、パワハラ体質だったリハ主任を「異動」させるところまで持っていきました。

ブラックな職場に対して、診断書の効果は絶大です。ただし、私のように「上司の更迭(異動)」まで要求することはあまりおすすめしません。私は実行しましたが、後になってその上司の取り巻き連中から嫌がらせを受けることになりました……。無理に戦わず、環境を変える(転職する)のが一番の正解だと痛感しています。

角を立てずに円満退職!「定番の引き止め・脅し」をかわす大人の対応術

自分で退職を申し出ると、施設側はあの手この手で引き止めようとします。そのすべてを真に受けて消耗する必要はありません。

過去に私が在籍していた施設では、「ここでだめなら、どこに行っても使えない」という言葉が名言のように飛び交っていました。

しかし、このようなことを言われても気にする必要はありません。なぜなら、そんなことは誰にもわからないからです。

結局、他の施設を知らない新人を脅して都合よく使い続けたいだけの言葉と言えます。

このような言葉には、「ご心配ありがとうございます。ですが別の環境で挑戦したい思いが固まりました」と、意思だけを伝えましょう。

また「アナタの担当利用者は誰が見るの?」と情に訴えられても、スタッフの配置は管理者の責任です。

「ご迷惑をおかけしますが、〇日までは責任を持って引き継ぎを行います」と事務的に誠意を見せます。

「専門学校にクレームを入れる」などは完全に論理が破綻した脅しで、学校側も相手にしません。「ご連絡はご判断にお任せします」と受け流しておきましょう。

また、ブラックな環境の施設に当たってしまった方にお伝えしたいのが、その施設で正しい教育を受けずにぐずぐずと悩んでいると、本当に成長の機会を逸してしまう可能性があることです。

例えば、ブラック施設で5年間、言われたことだけを続けていて、他施設に転職した場合、新しい職場では「5年間のキャリアがあるもの」として扱われます。

あえて0からは教えてくれないので、自分から質問するなど本来不要だった努力をする必要が出てきてしまいます。

もし、入職した病院や施設が完全にブラックで何も教えてくれないなどで悩んでいるなら、早期に退職して転職することをおすすめします。

私の友人は、CVAの急性期病院に入職しましたが、自分には合わないと1ヵ月で退職し即、老健に再就職していました。他の業種と違い、OTは色々な分野が選べるので、同じ職場に3年以上勤めないと……などは考える必要はないようです。

強引な引き止めを突破!安全かつ確実に辞めるための転職エージェント活用法

このような強烈な引き止め文句を言われたとき、一番不安になるのは「もし本当に次が見つからなかったらどうしよう」という焦りではないでしょうか。

だからこそ、退職を切り出す前に「転職エージェント」を活用し、次の行き先(内定)を確保しておくことを強くおすすめします。

次の職場という「安全基地」さえあれば、上司から何を言われても「もう次が決まっているので」の一言で退職交渉を終わらせることができます。

退職代行というリスクを負わず、堂々と辞めることができるのです。

おすすめ記事

以下の記事では、ブラック施設を回避し、エージェントを安全に使い倒す方法をまとめています。

今の環境が辛いなら、まずは「外の世界の選択肢」を持ってみることから始めてみませんか?

まとめ:キャリアを傷つけず、賢く環境を変えて「自分らしいOT」へ

今回は、連休がなく過酷な環境で悩む新人さんに向けて「退職代行をおすすめしない理由」と「安全に辞めるための生存戦略」をお伝えしました。

この記事の重要なポイントを振り返ります。

この記事のポイント

  • 医療介護業界は狭く横の繋がりが強いため、安易な退職代行の利用は今後のリスクが高い
  • ただし、心身が限界(うつ病の手前など)の場合は、自分の命を守るための最終手段として迷わず使う
  • 限界を迎える前に、総合病院を受診して「診断書」をもらうルートも有効
  • 上司からの心無い引き止めや脅しは、真に受けず事務的にかわす
  • 一番安全かつ確実な辞め方は「転職エージェント」で次の職場を決めてから退職を切り出すこと

「ここでダメなら他でも通用しない」なんてことは絶対にありません。事実、この言葉をパワハラ上司に投げつけられた私は、その後、他の2施設で採用され問題なく働くことができました。

真面目で頑張り屋なあなたが、これ以上自分をすり減らす必要はないのです。

退職交渉を乗り切る一番の特効薬は、「次の行き先(内定)」という安全基地を持っておくこと。

次が決まっていれば、上司から何を言われても「もう次が決まっているので」の一言で堂々と辞めることができます。

「もう限界だけど、どう動けばいいかわからない」と悩んでいるなら、まずは以下の記事を読んでみてください。

私自身がブラック施設から抜け出す際に実践した、エージェントの安全な活用法をまとめています。

無理をして心が完全に壊れてしまう前に、「いつでも辞められる選択肢」を持ってみませんか?あなたの新しいスタートを、陰ながら応援しています。

ブラック環境で仕事をしていると、自分の評価が正しくできなくなります。自分を見失う前に退職するのも良いのではないでしょうか?ちなみに、最初の職場のパワハラ上司にゴミ扱いされた私ですが、ホワイト施設に入った途端、スーパーOT扱いされて戸惑ったものです。人の評価なんて意外と適当なものなんですよ。